受付時間 13:00〜21:00
中学生不登校の親の対応!家でできる学習サポート

中学生のお子さんが不登校になると、親として「どう支えればいいのか」「勉強はどうしたらいいのか」と不安でいっぱいになります。
学校へ行く・行かないに関わらず、お子さんの将来の選択肢を広げるために、家庭でできる現実的なサポートを一緒に整理していきましょう。
中学生不登校の親の対応で家から始める学習サポートの基本

いきなり勉強をさせようとする前に、「心」と「生活」と「学習」のバランスを整えることが大切です。
順番を間違えると、せっかくのサポートがプレッシャーになり、かえって不登校が長引くこともあります。
不登校の中学生が抱えやすい不安を理解する
まず押さえたいのは、お子さんが「なぜ学校に行けないのか」を、表面的な理由だけで判断しないことです。
多くの場合、単なる怠けではなく、いくつもの不安やストレスが重なっています。
代表的なものとしては、友人関係のトラブル、先生との相性、勉強についていけない不安、いじめ、部活のプレッシャー、朝起きられない体調不良、HSPや発達特性による疲れやすさなどがあります。
こうした背景を知らないまま「どうして行かないの」「みんな我慢して行っている」と叱ってしまうと、お子さんは「わかってもらえない」と感じ、親子関係が悪化します。
親の対応としてまず大切なのは、「行けないのにも理由があるはず」と一度立ち止まり、理解しようとする姿勢を持つことです。
親が気をつけたい言葉がけとNG対応
不登校の中学生は、自己肯定感が下がりやすく、「自分はダメだ」「迷惑をかけている」と感じていることが少なくありません。
その状態で、さらに追い詰めるような言葉をかけてしまうと、心に深い傷を残してしまいます。
気をつけたい代表的なNG対応には、いくつか共通点があります。
| NG対応 | お子さんが受け取りやすいメッセージ |
|---|---|
| 「いつまで休むの」など期限を迫る 「甘えているだけ」「根性がない」 兄弟や友達と比べる 無視したり突き放したりする 先回りしてすべてを決めてしまう | 早く治さないと価値がない 今の自分は認めてもらえない 自分は劣っているダメな人間だ 味方が誰もいない、一人ぼっちだ 自分が決めていいことは何もない |
親も不安や焦りから、つい厳しい言葉が出てしまうことがあります。
もし言い過ぎてしまったと感じたら、「さっきは言い過ぎた、ごめんね」と素直に伝え直すことも、大切な修復の一歩になります。
家での学習サポートを始めるタイミングの目安
「勉強はさせた方がいいのはわかるけど、いつからどの程度させればいいのか」という悩みは、多くの保護者が感じるところです。
基本的な考え方としては、「体調や気持ちがある程度落ち着いてきたら、少しずつ学習を取り入れていく」が目安になります。
毎日布団から起き上がれないほどつらそうな時期は、無理に机に向かわせるよりも、睡眠や食事、会話など、生活の土台づくりを優先します。
一方で、ゲームや動画を見る元気はある、夜更かしはできる、といった状態であれば、短時間でも学習の時間を「生活リズムの一部」として取り入れていくことが可能です。
お子さんの様子を見ながら、「今日は5分だけやってみようか」「この漫画の感想を書いてみない?」など、小さなステップから始めてみると負担が少なくなります。
家庭でできる学習サポートの具体的なポイント
「中学生不登校の親の対応で家からできる学習サポート」は、難しい教材を用意することよりも、続けやすい工夫を積み重ねることが大切です。
以下のようなポイントを意識しながら、親子で話し合ってみてください。
- 学習時間は「短く・毎日」から始める(最初は10~15分でも十分)
- 教科はお子さんが「好き・得意」と感じるものからスタートする
- いきなり学校の進度に追いつかせようとせず、「復習」から始める
- 完璧を求めるより、「やれた量」「続いた日数」を一緒に喜ぶ
- 親が教えすぎず、「わからないところだけ一緒に考える」姿勢で関わる
- できたページにスタンプを押す、シールを貼るなど、見える形で達成感を残す
- スマホやゲームの時間帯と学習の時間をざっくり決めておく
こうした工夫を重ねることで、「勉強=怒られる時間」ではなく、「少し頑張ってみようと思える時間」に変わっていきます。
家での学習サポートと将来への不安との向き合い方
親としては、「このまま勉強をしなかったら高校に行けないのでは」「将来、仕事に就けるのか」と不安になるのは当然のことです。
ただ、その不安をそのままお子さんにぶつけてしまうと、「自分のせいで親を不安にさせている」と感じ、余計に動けなくなることも多いです。
将来の話をする時は、「今のペースで少しずつやっていけば、選べる道はちゃんとあるよ」と、具体的な情報とセットで伝えることがポイントになります。
たとえば、高校進学であれば、全日制高校だけでなく定時制高校や通信制高校、高校認定試験など、選択肢は一つではありません。
「今は自分のペースで学習を続ければ大丈夫」「そのために、家でこんなサポートができるよ」と、焦りを希望に変える言い方を意識してみてください。
親子関係を守りながら学習を進めるための心構え

中学生の不登校では、思春期特有の自立心と、助けを求めたい気持ちが揺れ動いているため、親の関わり方が非常に重要です。
責めずに寄り添うスタンスを持つ
不登校が続くと、親も精神的に追い詰められ、つい「どうして行けないの」「いい加減にして」と感情的になってしまうことがあります。
しかし、責めるスタンスが前面に出ると、お子さんは本音を話さなくなり、何を考えているのかますます分からなくなってしまいます。
寄り添うスタンスとは、「学校に行くかどうか」よりも「今、どんな気持ちでいるのか」を大事にする姿勢です。
たとえば、「最近、夜眠れないって言ってたけど、体はしんどくない?」など、状態を確認する声かけから始めると、会話のきっかけが生まれやすくなります。
親の不安はあるとしても、「味方でいるよ」というメッセージを、言葉と態度で伝え続けることが、学習サポート以前の土台になります。
親が一人で抱え込まないことの大切さ
不登校の問題は、どうしても母親や父親のどちらか一人に負担が偏りがちです。
「自分の育て方が悪かったのでは」「もっと厳しくするべきだったのでは」と、必要以上に自分を責めてしまうことも多くあります。
しかし、親が追い詰められると、イライラや不安が子どもにそのまま伝わり、お互いにしんどい状態が続きます。
学校の先生、スクールカウンセラー、自治体や教育委員会の相談窓口、不登校親の会など、使えるサポートはできるだけ早めに頼ることが重要です。
「相談すること=親失格」ではなく、「相談すること=お子さんと自分を守る行動」と考え方を切り替えてみてください。
学習のゴールを「学校に追いつく」ではなく「自分のペースで進む」にする
親子ともに陥りやすいのが、「クラスの進度に追いつかなければ」「みんなと同じレールに戻らなければ」という考えです。
もちろん、学校復帰を目標にすることは悪いことではありませんが、そのことがプレッシャーになりすぎると、一歩も動けなくなることがあります。
学習のゴールを「みんなと同じスピード」に置くのではなく、「今より少し理解できる」「昨日より1ページ進む」といった、自分のペースでの前進に置いてみてください。
この切り替えができると、お子さんも「今の自分でもできる範囲で頑張っていいんだ」と感じやすくなり、意欲が戻りやすくなります。
家でできる学習サポートの具体的な方法

特別な教材や高価なサービスを使わなくても、身近な道具や市販のテキストで、十分に基礎学力を維持・向上させることができます。
勉強しやすい生活リズムと環境を整える
どれだけ良い教材を用意しても、昼夜逆転や睡眠不足の状態では、頭が働かず勉強は続きません。
まずは、無理のない範囲で生活リズムを整えることが、家でできる学習サポートの出発点になります。
朝は同じ時間に起きるよう声をかけ、カーテンを開けて日光を浴びる、簡単でも朝食を一緒に食べるなど、「一日が始まるサイン」を習慣化していきます。
勉強する場所は、リビングでも自室でも構いませんが、スマホやゲームがすぐ手に取れないようにする、テレビを消すなど、集中しやすい環境づくりも効果的です。
教科ごとの家庭学習の進め方
どの教科から、どのように進めていけばよいか迷う方も多いので、代表的な教科ごとのポイントを整理します。
| 教科 | 家庭での進め方のポイント |
|---|---|
| 国語 | 短い文章の音読や、好きな本の読書から始める。漢字は小テスト形式で少しずつ。 |
| 数学 | つまずきやすい計算や公式を復習。教科書準拠の問題集で、例題→類題の順に進める。 |
| 英語 | 教科書の基本文を音読・書き写し。簡単な英単語カードで、毎日少しずつ覚える。 |
| 理科 | 図解の多い参考書で画像から理解。興味のある単元(宇宙・生物など)から取り組む。 |
| 社会 | マンガや図説で全体像をつかむ。歴史なら年表や人物カードでゲーム感覚で学ぶ。 |
最初からすべての教科を完璧にやろうとせず、お子さんが「やりやすい」と感じる教科から少しずつ広げていくと、負担を抑えながら学習習慣を作れます。
家庭学習を続けるための小さな工夫
学習でいちばん難しいのは、「始めること」よりも「続けること」です。
特に不登校の中学生の場合、気持ちの波が大きく、「昨日はできたのに今日は全くやる気が出ない」ということも珍しくありません。
そこで、続けるための工夫をいくつか取り入れてみてください。
- 時間ではなく「量」を決める(例:今日はこのページだけ、1問だけ)
- タイマーを使い、「10分だけ集中してみよう」と区切る
- 終わったら、好きな動画を10分見ていいなど、小さなごほうびを用意する
- カレンダーに勉強した日だけ丸をつけ、「連続記録」を一緒に眺める
- うまくいかなかった日も「ゼロではなく、問題集を開けたからOK」など、できた部分を見つけて声に出す
こうした工夫は、学習量そのものよりも「自分はやろうとした」「少しずつ進められている」という感覚を育てるのに役立ちます。

オンラインや外部サービスの活用方法

最近は、オンライン教材や個別指導など、家にいながら利用できるサービスが増えています。
オンライン学習サービスを取り入れる際のポイント
オンライン学習は、動画解説や自動採点など、家庭学習を効率化してくれる便利なツールです。
ただし、「入れれば安心」というものではなく、お子さんの性格や状況に合った使い方が大切になります。
一人で画面に向かうのが苦にならないタイプなら、動画授業を見ながら自分のペースで進められますが、人とのやり取りがあった方が続けやすい場合は、オンライン個別指導や質問チャット付きのサービスが向いています。
無料体験期間があるサービスも多いので、いきなり長期契約をせず、まずは短期間試してみることをおすすめします。
塾や家庭教師の利用を検討するときの考え方
塾や家庭教師を利用するかどうかは、多くの保護者が悩むポイントです。
不登校の中学生の場合、「集団塾に通うのはハードルが高いけれど、勉強はサポートしてほしい」というニーズが多く見られます。
家庭教師や少人数制の塾であれば、個々のペースに合わせて進めてもらえることが多く、学校に行けない期間の学びの場として役立つことがあります。
ただし、お子さん本人の同意がないまま無理に申し込んでも、続かないどころか「またプレッシャーが増えた」と感じてしまう可能性もあります。
利用を検討する際は、「勉強を教えてくれる人が家に来ることについてどう感じる?」「わからないところを聞ける先生がいたらどう?」と、事前に率直な気持ちを聞いてみましょう。
学校や公的機関の学習支援も視野に入れる
民間サービスだけでなく、学校や自治体が提供している学習支援も、うまく活用すれば心強い味方になります。
たとえば、適応指導教室や教育支援センター、フリースクールと連携した学習サポートなど、地域によって利用できる制度はさまざまです。
学校に在籍したまま、出席扱いになる形で利用できる場合もあるため、担任や学校の相談窓口に一度情報を確認してみるとよいでしょう。
費用面でも、公的な支援は比較的安価または無料で利用できることが多く、「まずは週に1回だけ利用してみる」といった段階的な関わり方もしやすいのが特徴です。
将来を見据えた進路と学びの選択肢

最後に、「このまま不登校が続いたらどうなるのか」「高校やその先の進路はどう考えたらいいのか」という不安にお答えします。
中学生の不登校であっても、進路の選択肢は一つではありません。
家庭での学習サポートを続けながら、「お子さんに合ったルート」を一緒に探していくことが大切です。
不登校からの高校進学の主なルート
不登校だからといって、高校進学をあきらめる必要はありません。
通学スタイルや学び方の違いによって、いくつかのルートがあります。
| 高校の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 全日制高校 | 一般的な高校。出席日数や内申点が重視されるが、不登校経験者の受け皿になっている学校もある。 |
| 定時制高校 | 夕方や夜間に通うスタイル。年齢層が幅広く、自分のペースで学びやすい。 |
| 通信制高校 | レポートやスクーリング中心で、自宅学習がメイン。通学日数を抑えたい場合に適している。 |
| サポート校 | 通信制高校と連携し、学習や生活面のサポートを行う民間の教育機関。 |
| 高卒認定試験 | 高校に通わず、試験に合格して高卒と同等の資格を得るルート。 |
どのルートにもメリット・デメリットがあり、お子さんの性格や目指したい進路によって合う選択肢は変わります。
大切なのは、「今は学校に行けていないけれど、進路の道は閉ざされていない」という現実を、親も子も理解しておくことです。
中学生のうちに身につけておきたい基礎学力
進路の選択肢を広げるために、「中学生不登校の親の対応で家からできる学習サポート」として意識したいのは、すべての教科を完璧にすることではなく、「基礎的な読み書き計算・主要教科の土台」を整えることです。
特に重要なのは、以下のような力です。
- 文章を読み取り、要点をつかむ国語力
- 四則計算や割合など、高校以降も使う数学の基礎
- 中学英語の基本文法とよく使う英単語
- 教科書レベルの理科・社会の重要語句や基本的な知識
これらは、高校入試や高卒認定試験だけでなく、その後の専門学校・大学・就職の場面でも土台となる力です。
完全にすべてを網羅できなくても、「ここだけは押さえよう」というポイントを決めて、少しずつ積み上げていくことが、長い目で見て大きな差になります。
親ができる「将来はなんとかなる」を支える情報集め
お子さんに「将来はなんとかなるよ」と伝えるためには、親自身が「本当にそうだ」と感じられるだけの情報を持っていることが大切です。
インターネットや本、不登校支援団体のセミナーなどを通じて、不登校経験者の進路事例や、高校・通信制・高卒認定の実態を知っておくと、「こういう道もあるよ」と具体的に話せるようになります。
また、学校の進路指導の先生や、地域の教育相談窓口に相談することで、最新の入試情報や支援制度について教えてもらえることもあります。
お子さんに過度なプレッシャーをかけるのではなく、「選べる道は一つじゃないから、一緒に考えていこうね」と、安心感のある言い方で将来の話をしていきましょう。
中学生不登校の親の対応で家庭学習を支えるポイントのまとめ
「中学生不登校の親の対応で家からできる学習サポート」は、特別なことではなく、小さな工夫と心構えの積み重ねです。
お子さんの「心」と「生活」と「学習」のバランスを意識しながら、責めるのではなく寄り添う姿勢で関わることが、何よりも大切になります。
勉強のペースは、クラスメイトと比べる必要はありません。
5分の学習でも、1問だけのチャレンジでも、それは確かな一歩です。
将来の進路は一つではなく、全日制・定時制・通信制高校や高卒認定試験など、さまざまなルートがあります。
親が情報を集め、「今はつらい時期だけれど、選べる道は必ずある」と信じて見守ることが、お子さんの安心につながります。
完璧な親である必要はありません。
ときには失敗しながらも、「味方でいたい」という気持ちを大切に、お子さんと一緒に、家でできる学習サポートの形を少しずつ作っていってください。



